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法学部の論述式試験の書き方を最速マスター「習うより慣れよ」

法学部の論述式試験の書き方を最速マスター「習うより慣れよ」法学部

法学部の特徴として,よく言われるのが「定期試験が難しい」ということ。

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法学部の試験はなぜ難しいと言われるの?

それは,試験問題の多くが論述式試験であるからだと思われます。

大学入試でも小論文形式の試験もあると思いますが,それよりも難易度は高いと感じる人もいると思います。

難しいと言われる主な原因は下記のようなものではないでしょうか。

  • 慣れていない
  • 時間制限が厳しい
  • 書き方がわからない

これらの原因はすべて関係しています。

慣れと書き方はほぼ同じ問題ですし,慣れていない・書き方がわからないから時間が足りなくなります

大学入試までの問題は一問一答形式が多く,論述といってもそれほど長文を書くことは多くなかったと思います。長いと感じても400字程度でしょうか。

法学部の論述式試験で400字で解答できることは少ないです。単純な語句の意味を説明させるような問題なら400字程度でも対応できますが,事例問題は400字では到底無理だと思います。

でもそんな長文を書いた経験って少ないですよね。

ましてや法学の問題について解いたことがあるという法学部1年生はほとんどいないでしょう。

書いたことがなくても,法学部の論述式試験は容赦なく出題されます

しかも解答の仕方・書き方・お作法などは講義中に説明される可能性は限りなく低いです。

先輩などに聞ける環境がある人はいいかもしれないですが,そういう環境にない人もいると思います。

そこで,本記事では法学部の論述式試験の書き方手っ取り早く書き方をマスターする方法を紹介したいと思います。

法学部の論述式試験(事例問題)の書き方の原則

法学部の論述式試験では,事例問題形式が多いです。

事例問題とは,法的トラブルや事件の事実が問題として示され,当事者としてどんな法的な主張ができるか,裁判官としてどう結論を出すか,と問われる形式の問題です。

この形式の問題の解き方・書き方には原則があります

それは以下の通りです。

問題提起+法的三段論法

問題提起

たとえば「AがBから中古車を購入した。しかし,引き渡された車に不具合があった。AはBに対してどのような請求をできるか」といった問題があるとします。

自分がAだとしたら,どうしたいですか?

こうしたい! → でもできるの? というのが問題提起です。

この問題だと,Aは下記のような主張をしたくなるのではないでしょうか。

  • 不具合のない車に交換してほしい!
  • 修理してほしい!
  • 損害を賠償してほしい!

「こんな主張はできるの?」というのが問題提起です。

ちなみに問題提起の順番ですが,このような取引の問題なら,契約の当初の目的に沿うものから問題提起するのがよいと思います。

この問題なら,故障していない車が欲しい,だめならちゃんと修理してよ,それもだめならお金で解決しかないね,という順番が自然ではないでしょうか。車の交換を申し出る前にいきなり損害賠償を請求ってなんか変ですよね

法的三段論法

法的三段論法,法学部なら何度も耳にする言葉だと思います。

何度も耳にするけど,法的三段論法が何なのかが曖昧で……という人も多いのではないでしょうか。

高校までの小論文などでは,「起承転結を意識して書くこと」などと指導されたことがある人もいると思いますが,法的三段論法にはに当たる部分はありません
そもそも何らかの主張を他人に伝えるのに,転って必要なのか疑問です

法的三段論法は次の流れのことです。

大前提
 ↓
小前提
 ↓
あてはめ

ここにいう,大前提法規範(条文)のことで,小前提具体的な事実のことです。

たとえば,Aの息子B(12歳)がお小遣い欲しさに,父Aが大切にしていたトレーディングカードをカード屋Cに売ってしまった場合,Aはカードを取り戻せるか,という問題を考えてみましょう。

BとCには売買契約が成立しているので,通常であれば取り返すことはできません。カードを取り戻すには,契約を取り消すか,契約が無効である必要がありそうです。

大前提:法規範(条文)

民法

(未成年者の法律行為)
第5条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
 第1項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

(取消権者)
第120条 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む。)又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。

小前提(具体的事実)

  • BとCとの間には売買契約(法律行為)が結ばれている。
  • Bは未成年者である。
  • Bの売買契約締結については,A(父=法定代理人)の同意は存在していない。

あてはめ

したがって,本件のカードの売買契約は未成年者Bが法定代理人たるAの同意を得ずにしたものであるため,AまたはBは取り消すことができる(民法5条・120条)。

複雑な問題は?

複雑な問題でも,原則としては,問題提起→法的三段論法で処理します。

問題提起→法的三段論法」のセットで,問題を細かく切り分けて,解きほぐしていくイメージですね。

実践したいけど自信がない

言葉で説明されても,いざ自分一人で長い論述式試験の解答を記述するのは難しいですし,そもそも書き方があっているのかもよくわからないですよね。

そんなときは次のやり方を試してみてください。

論述式試験の書き方をマスターする最短ルートはマネすること!

やり方がわからないなら,お手本をマネしましょう!

つまり,参考答案(模範答案)の書き方をマネするのです

なんでもよいので,論述式問題と参考答案(模範答案)が載っている問題集を購入しましょう

資格試験予備校が多く刊行しています。

そして,問題と解答をセットで読み込みましょう。
ここでは,答案のイメージを持つための訓練ですので,ただただ読書するように問題と解答を読んでいくだけでOKです

習っていない分野でもどんどん読み進めましょう。

そうすると,一定の解答の「型」が見えてくると思います。

その型をマネするだけでよいのです。

さらに深く追求したい人は,参考答案(模範解答)を,上記の「問題提起」と「法的三段論法」がどのように並んでいるのかを色分けしたりすると理解が深まると思いますよ。

これで,書き方自体はだいたいマスターできると思います。

書き方がわかれば,あとは知識のインプット――本来の法学の学習に集中できますよね。

問題集を読書するだけでよいので,通学時間などを利用してみましょう。

ここで重要なのは1点のみです。

必ず参考答案(模範解答)が付いているものを買いましょう。

大学の先生が書いた演習書は答案例が付いていないことが多い(最近はやや増えてきましたが)ので,予備校本がおすすめです。

論述式試験の書き方の型の習得だけなら,本当にどれでもよいのですが,いくつかおすすめを挙げておきます。

『アガルートの司法試験・予備試験 実況論文講義』シリーズ

司法試験予備試験の合格者の再現答案と人気の予備校講師の答案例が付いています。問題の難易度は(司法試験向けですので)難しいのですが,答案の書き方を知りたい人にとっては,そこはあまり気にしなくてよいと思います。論述式試験の答案の書き方を知るという点では,とても参考になる本だと思います

新伊藤塾試験対策問題シリーズ

比較的短めの問題の多い問題集です。
法学部の定期試験で出題される問題の長さに近いと思います。
解説も手取り足取り丁寧にされていますので,論述式試験に手も足も出なくて困っている人にはぜひ手に取ってほしい1冊ですね。
こちらも,答案の書き方を学ぶという観点からは,問題の難易度は気にしなくてよいと思います。

上記の通り,まずは読書をするように読み進めていくことが重要です。

さいごに

答案の書き方がわかったら,法学の学習にさらに力を入れましょう。

論述式試験の答案の書き方だけでなく,大学や法学部での勉強方法について悩むこともあると思います。

そんなときに役立つ法学の学習の仕方についてのおすすめ本は下記記事にまとめました。

下記記事で紹介している本の中には答案の書き方についても触れているものもありますので,あわせて参考にしてみてくださいね。