ちょうどいま司法試験が行われていますね。
コロナウイルスの影響で例年とは異なるスケジュールでの試験です。
(令和2年〔2020年〕は8月12日,13日,15日,16日)
受験生の皆さんが全力を出し切れることを祈っております。
真夏の司法試験というと,旧司法試験の論文試験を思い出しますね……と書くと年齢がばれそうですw
親戚などに法学部に入学したというと「将来は弁護士か?」と耳にタコができるほど言われる機会があると思います。
法学部以外の人にとっては,法学部=司法試験というイメージが強いみたいですね。
ここ数年は毎年34000~36000人くらいが法学部に入学しているようで,その数の推移は横ばい傾向のようです。
上記数字は文部科学省の「学校基本調査」参照。
学校基本調査は文部科学省のウェブサイト,具体的な統計数字は e-Stat政府統計の総合窓口を参照。
それに対して,司法試験の合格者数は毎年1500人程度。
この数字を比較するだけでいかに司法試験が難関試験か,また,大多数の法学部生は法曹以外の進路に進むことが分かると思います。
そこで,今回は法学部生と資格試験について書いていきたいと思います。
※過去の記事です。最新情報は各資格試験の公式情報(ホームページなど)で確認してください。
法学部を卒業しただけで得られる資格はある?
卒業することで一定の資格が得られる学部や専門学校があると思います。
おそらく多くの場合は,より詳細に言えば,一定の課程,単位修得および資格取得が卒業要件になっており,卒業=資格取得というよりは,資格取得が卒業のために必要,という印象でしょうか。
教育学部の教員免許(教職課程)などはこのイメージに近いと思います。
(もっとも教育学部もコースや課程が細分化されており,これに当てはまらない例も多くあると思います)
では,法学部にそのような資格はあるのでしょうか。
結論から言えば ない です。
(例外もあるかもしれませんが,多く場合はないです)
多くの法学部のカリキュラムは一定の資格試験を前提にしたものではなく,資格を取得したい学生は,個人個人で資格試験を受験する必要があります。
法学部生はどんな資格試験に挑戦しているの?
上記で教員免許について触れましたが,法学部でも教員免許を取得することは可能です。
ただし,これは各学部で用意されている教職課程の単位をすべて取得することで得られるもので(教育実習も必要),ほとんどの大学の法学部では卒業に必須とはされていません。
多くの法学部では中学校・高校の社会科教員の教職課程が用意されていると思います。
法学部生の受験者が多い資格試験
司法試験
一番メジャーなのはやはりこの2つですね。
司法試験
司法試験予備試験
文系最難関ともいわれる司法試験。
以前よりは受かりやすくなりましたが難関であることは確かです。
また,司法試験の受験のためには原則として法科大学院卒業が必要で,法学部生が司法試験を受験するためにはまず予備試験に合格することが必要です。
予備試験は司法試験本体に合格するよりも難しいという人もいるくらいです。
司法試験については司法試験予備校などで詳細な情報がたくさん公開されていますので,そちらをご覧ください。
司法試験以外にどんな資格試験があるの?
国家資格
- 司法書士
- 公認会計士
- 弁理士
- 税理士★
- 社会保険労務士★
- 宅地建物取引士
- 行政書士
- 通関士
- 知的財産管理技能検定★
- 中小企業診断士
- 不動産鑑定士
★は一定の受験資格あり(知的財産管理技能検定の3級は除く)。受験要綱をしっかり確認しましょう。
その他
- ビジネス実務法務検定試験(1級は2級合格者のみ受験可)
- 法学検定試験
- 証券外務員
- 個人情報保護士認定試験
- ビジネス著作権検定
- 相続診断士
公務員
まとめ
結構たくさんありますね。
もし入学した後,早めに目指したい試験が見つかったら,その試験内容に合わせて履修科目を選択してみるといいと思います。
(4年生で焦らないように,資格試験科目だけじゃなくて,くれぐれも卒業に必要な単位・科目にも注意してくださいね。資格試験に合格したのに卒業できない……なんてことにはならないようにしてください)