法学部での勉強を活かして公務員を目指す

法学部
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司法試験と並んで,法学部のイメージとして強いのは公務員だと思います。

東京大学法学部→官僚というルートがその典型でしょうか。

公法科目で学習した人もいると思いますが,原則として公務員は法令にしたがって職務を遂行します
なにをするにしても,根拠となる法令が必要なのです。

よって,公務員には法律学,法学の知識が必要となり,公務員試験には必ず法律科目があります。

就職先として公務員を目指すなら,法学部で学んだ知識を活かすことができそうですね!

公務員は就職先としてみたときには,安定性は抜群なので,目指す人も多いと思います。

とはいえ,ひとくちに公務員といってもどのような職種があるのでしょうか。
法学部生が比較的多く目指すものを中心に紹介してみたいと思います。

この記事では以下を紹介します。

・法学部生に人気の公務員の種類
・公務員試験の内容(概要)

法学部の就職先としての公務員

法学部出身の公務員はどんな職種に就いているのでしょうか。

ここに掲げた職種以外にも法学部出身者はもちろんいますが,比較的法学部生に人気の職種を掲げます。

法学部生に人気の国家公務員

  • 国家公務員(総合職・一般職)
  • 国税専門官
  • 裁判所事務官(総合職・一般職)
  • 家庭裁判所調査官補
  • 外務省専門職員
  • 衆議院事務局職員
  • 衆議院法制局職員総合職
  • 参議院事務局職員
  • 参議院法制局職員総合職
  • 労働基準監督官

法学部生に人気の地方公務員

  • 地方公務員上級(上級,Ⅰ種,1類など)
  • 地方公務員一般
  • 警察

各職種の概要

国家公務員

国家公務員(総合職・一般職)

○○省や△△庁に勤務する公務員です。
法学部生はほとんどは事務系を選択すると思います。
(ほかに技術系があります)

総合職は政策立案に直結した職種で,いわゆるキャリア・官僚と呼ばれる人がこの総合職です。

一般職は定型的な業務に携わる職種で,本省採用もしくは地方の出先機関での採用です。

国税専門官

税務に関する行政執行のスペシャリストです。
税の調査,徴収,査察を行います。
全国にある12の国税局で採用され,転勤はその国税局が管轄している都道府県の範囲で行われます。
たとえば,東京国税局は,東京都,神奈川県,千葉県,山梨県を管轄しています。

古い映画ですが,伊丹十三監督の『マルサの女』(1987年公開)は国税庁査察部が主題になっていましたね。
国税専門官に興味のある人はぜひ見てみてください。
映画そのものの評価も高い作品なので見て損はないと思います。
マルサの女』のAmazon詳細はこちら

ナサケの女――国税局査察官』(2010)というドラマもあったそうです……。

裁判所事務官(総合職・一般職)

裁判所には当然,裁判官以外にも職員がいます。
裁判所の一般事務,書類の作成・送付,弁護士との打ち合わせや裁判員の対応などさまざまな業務があり,それを担うのが,裁判所事務官です。
総合職と一般職があります。
また,上級の職種として,裁判所書記官があります。

家庭裁判所調査官補

家庭裁判所で扱うのは,家事事件(離婚調停をはじめ家庭内の紛争など)や少年事件であり,通常の訴訟手続よりもその背景事情などの調査が重要となります。
その調査を担うのが家庭裁判所調査官です。採用段階では家庭裁判所調査官補として採用され,約2年間の養成課程研修を経て家庭裁判所調査官として任官します。

家庭裁判所調査官が主人公ではないのですが,家庭裁判所を舞台としたマンガ家栽の人』が有名ですね。法学部の教員でも推薦する人が多いような気がします。気になる人は読んでみてください。ドラマ版もあります。

ちなみに,法律系のマンガは下記記事で紹介しています。

外務省専門職員

外務省では通常の国家公務員採用とは別に外務省専門職員としての採用もあります。
昔でいうところの外交官試験です
多くの場合は在外公館での現地勤務となるようです。

国会職員(衆議院事務局職員,衆議院法制局職員総合職,参議院事務局職員,参議院法制局職員総合職)

上記の4つはいわゆる国会職員と呼ばれるものです。

法制局職員は議員立法(議員提出法案)の条文案の作成等をサポートをする専門的な職種です。
事務局員は一般事務や各会派の調整などを担う職種です。

労働基準監督官

労働に関する法令の専門家です。
国家公務員(厚生労働省)です。
労働者の安全,心身の健康や適正な労働環境の確保のため,各職場をチェックしたり,場合によっては立ち入り検査等をすることがあります。
(2013年に「ダンダリン――労働基準監督官」というドラマがありました)

地方公務員

地方公務員上級(上級,Ⅰ種,1類など),一般

国家公務員と同じく,上級職は政策立案に直結した職種です。
自治体によって上級職の呼び方がⅠ種だったり,1類だったりといろいろあります。

一般職は定型的な業務に携わる職種で,これも国家公務員の一般職と同じですね。

法学部生は多くの場合は事務系を選択すると思います。
(地方公務員にも,事務系と技術系があります)

都道府県と市町村は別々に採用募集しています。

警察

これは説明不要ですね。

普通の警察官以外に,警察行政(警察事務)という採用区分もあります。

どんな試験?

国家公務員に加えて地方公務員まで含めるとここでは紹介しきれないですから,受けようと思っている募集要項,採用試験実施要綱等を確認してください

法学部との関係でいえば,公務員試験は大きく一般教養問題専門科目の2種類の出題になっていることが多いです。

法律系の専門科目で出題範囲になっていることが多いのは,憲法行政法民法です。
公務員ですから憲法,行政法は当然ですね。

あとは,外務省専門職員試験では国際法が出題範囲ですし,労働基準監督官では労働法が出題されます。
ほかの法律基本科目の刑法,商法(会社法),民事訴訟法や刑事訴訟法も選択専門科目として挙げられることが多いです。

また,多くの場合は年齢制限がありますので,注意しましょう。

まとめ

公務員試験はほとんどの採用試験で法律系科目が出題されます。
その意味では法学部生にはアドバンテージがあります。
公務員試験直前になって焦らないように,普段の講義でしっかりと学び,試験勉強期間に入ったら法律科目以外に時間を使えるようにしたいですね。