法学部の講義で,それぞれノートを取ったり,配布されたレジュメに書き込んだりと,講義の内容を書き留めていると思います。
それを試験前に見直すと思います。
しかし,すごく丁寧にノートやレジュメへの書き込みができていれば問題ないのですが,担当教員の話すスピードについていくことを優先して,とにかくノートを取ったり,話していた内容を聞き漏らしたりしていて,いざ見返してみるとノートとして不完全だったことはありませんか?
メモすることに必死で,どこが重要なのかがわからない,という事態もよくあると思います。
また,そもそも講義で時間がなくなるなどして,「ここの部分は教科書を読んでおいてください」「判例集を読んでおいてください」とされて,ノート自体がない個所もあるかもしれません。
何科目も試験がある中で,直前期にノートやレジュメと教科書・判例集を行ったり来たりしながら最後の確認をするのは効率が悪いので,できればまとめたいですよね。試験直前期に確認するものは一つにまとめておきたいです。
ノートの再整理
まずは,不完全なノートや講義で直接扱っていない部分(「教科書(判例集)読んでおいてね」の箇所)を,あらためて整理し直しましょう。
「そんなの面倒だし,不効率だ!」と思う方もいるかもしれませんね。
たしかにちょっと面倒な作業ではあります。
ただ,ノートや教科書を再度整理することが,法律の体系等を意識しながらの作業になりますので,この作業そのものが試験勉強そのものといっても差し支えないと思います。
教科書の順に説明されていた事項を,たとえば,条文ごとの要件・効果をまとめてみる,論点と関連判例を一覧にする,などが試験勉強になります。
整理が終われば,勉強が終わったも同然で,あとはその作ったノートを通学時間等の隙間時間を利用して見返せばよいのです。
ノートの再整理におすすめのグッズ――京大式カード
再整理して作ったノートは,試験前に何度も見返すために作るものです。
ノートを見返す作業は通学電車の中などの隙間時間をうまく活用したいですよね。
でも,通勤通学時間帯の電車は満員で,ルーズリーフのファイルを広げることも難しい場合があり,できるだけコンパクトにしたいところです。
そこで,私が使っていたのは,京大式カードです。
普通のノートやルーズリーフのサイズはB5なので,その半分のサイズのカードです。
左端にパンチ穴が開いているので,ファイリングもできます。
とはいえ,こういうファイルってカバンの中でかさばるし,正直あまり好きではないです。持ち歩かずに自宅の整理用ならよいのですけどね。ノートは持ち歩いてナンボです。
そこで,私は,単にカードリング2つで止めていました。京大式カードは厚紙でノートの紙よりもしっかりしているので,これで十分です。カバンの中でシワシワになることもないです。
法学部生におすすめの京大式カードの使用例
では,この京大式カードをどう使ったらよいのでしょうか。
どのように使ってもよいのですが,あくまで1例として,私の使用法をご紹介します。
表面に書くこと(1)――暗記事項
表面には,定義・意義・要件・効果をまとめていました。
いわゆる暗記しておきべき事項をまとめてあります。
要件や効果などは条文文言をみればある程度導き出せますが,試験には時間制限があることを考慮しますと,覚えておく方がベターです。
また,定義や意義については,語句説明や一行問題への対策として暗記をおすすめします。まずは定義や意義を正確に書けていれば,一定の部分点はもらえる可能性がかなり高いです。ただし,定義や意義は正確に覚えましょう。
なお,試験の出題形式については,こちらを参照してください。
裏面に書くこと(1)――暗記事項
表面に暗記事項(定義・意義・要件・効果)を書いたカードの裏面には,とくに何も書いていませんでした。
それぞれ自由に使えばいいと思いますが,白紙であることが多かったです。
書く場合にも,表面の暗記事項に関連する事項に限定した方がよいです。私は,似ている概念や定義があるときは,それをメモしていました(相違点や間違いやすい点など)
1枚のカードに,あまり関係のない情報が集まっているとかえって使いにくいので,注意してください。
表面に書くこと(2)――論点
次に,論点を表面に書いていました。
単純な論点であれば,論点そのもののみを,やや複雑な論点であれば,論点そのものとごく簡単に論点となる理由を書いていました。
裏面に書くこと(2)――論点の結論や判例
表面に論点を書いたカードの裏側には,その論点の結論・考え方や関連判例を書いていました。
まず端的に結論を書いて,それに続いて,論述式試験で出題された場合に,自分で答案が書ける程度に結論に至る論理をメモしていました。
論理をメモするといっても,いわゆる論証ブロックのような文章の形にはしていませんでした。キーワードや矢印(→)などを使って論理の流れだけを記載していました。
文章にしてしまうと文章そのものを暗記しないと不安になりそうで,そんな暗記に時間をかけたくなかったからです。論理さえ通っていれば,日本語の文章としての細かな表現は気にしない方が効率が良いと思います。
(文章を丸暗記しようとすると,不効率なだけでなく,試験当日にさほど重要ではない一部分が思い出せないだけでパニックになるおそれもあります)
また,それほど数は多くはないのですが,重要判例の特徴的な言い回しが重要な論点もあります。事例問題で,この言い回しが再現できなければ誤りになる,という可能性は少ないですが,その言い回しを使うことで判例に対する理解度もアピールできますので,特徴的な言い回しが出てきた場合にはメモして覚えておくとよいでしょう。
特徴的な言い回しがある判例については,講義で取り上げることも多いですし,教科書等でも紙幅を割いて引用・解説していることが多いので,勉強していれば自然と気が付くと思います。
1枚のカードに論点は1つだけ?
論点のカードは,1枚に論点1つにすべきでしょうか?
これについては,私はとくに決まりを設けていませんでした。ごくごく知識的な論点(細かな論点や○×的な論点)については,裏面の記載も少ないので,1つのカードにまとめていくつも書いていました。
スペースがぎちぎちにならない程度に(自分が見やすい程度に)書いていけばよいと思います。
京大式カードでノートを再整理するメリット
京大式カードでノートを再整理するメリットはどこにあるのでしょうか。
私がメリットと感じていた点を挙げたいと思います。
- コンパクトになり,電車等でも確認することができる
- 何枚も書くことでノートが積み上がり,勉強をした充実感がある(これによってモチベーションアップにもつながる)
- あとで情報を追加しやすい(カードを追加すればよい)
- カードにコンパクトにまとめる作業過程で,自然とその事項の構造や重要な点について検討しているので,頭に残りやすい
京大式カードでノートを再整理するデメリット
反対にデメリットはあるのでしょうか。
あまり思いつかなかったのですが,あえて挙げると次のような点でしょうか。
- 講義中のノートを取る作業と再整理の作業の二度手間
- ノート・ルーズリーフに比べると厚みがある
その他の方法など
今回ご紹介した方法はあくまで一例です。
勉強方法は一つではないので,それぞれ自分に合った方法を見つけてみてください。その際にこの記事が参考になれば幸いです。
私の友人のなかには,教科書にすべての情報を集約している人もいました。余白では書き込みスペースが足りないことが多いので,大きめの付箋を貼り付けていました。
貼り付けすぎて,教科書の厚みが1.5倍くらいになっているものもありましたね(笑)
もちろんこの付箋を使う方法でもよいと思います。
いずれにせよ,お伝えしたいのは,情報を1か所に集約することが重要である,ということです。
また,最近ではルーズリーフ等を使わずに,PCでノートを取る人も増えていると思います。この場合でも,講義を書き留めたデータは議事録のようで,要点がわかりにくいこともありますので,一定の再整理が必要になると思います。その再整理作業にあたって,今回の記事がなにかの参考なれば幸いです。