無料・格安で良質な文章を読む――お手軽に教養が身につく方法

法学部
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法学部生なら判例や教科書など,日々大量の文章を読んでいる人も多いと思います。

法律の文章って論理的で隙がない文章が多いですよね。論理的ではありますが,必ずしも美文というわけでないことも多いので結構疲れますよね。

そんな文章ばかりを読んでいると,たまに遊びのあるライトな文章を読みたいと思ったりすることはありませんか?

でも,法学部の教科書って種類も多いし値段もそれなりに高いものが多いですよね(医学書ほどではないですが,一冊数千円するものがほとんどですね)。

「教科書類以外の書物にだす金銭的余裕がない」という人もいると思いますが,そんな人におすすめの読書を紹介します。

格安もしくは場合によっては無料良質な読書経験が手に入ります!

出版社のPR誌がおすすめ!

出版社のPR誌って知っていますか?

知らない人も結構いるんじゃないかと思いますが,出版社のPR誌とは各社が自社刊行物を紹介する目的で刊行している冊子のことです。サイズはA5サイズのことが多く,だいたいどのPR誌も100ページ程度です。

読書家の中には,PR誌を毎号チェックする人もいるようですよ。

岩波書店の『図書』新潮社の『波』あたりは有名です。

出版社のPR誌の内容

PR誌ですから,自社刊行物の宣伝内容が多いのですが,単純な宣伝ではなく,書評という形式をとっていることが多いです。書評のほかに,著者自らが解題的な記事を載せたり,執筆時の思いや苦労など楽屋話を書いたものを載せたりすることもあります。

また,刊行物の宣伝だけでなく,書き下ろしの連載などが掲載されていることもあります。

だいたいのPR誌は,宣伝的な記事と書き下ろしが半分ずつ載っている印象です。

PR誌に載っている書評は,新聞書評などよりも分量が長めでしっかりした内容の記事が多いので参考になる記事が多いです。専門書の場合は,同業者(同じ分野の研究者など)が書評を書いたりしているのでプロによる内容評価を知ることができます(ネットの匿名の口コミよりも信頼性はあると思います)。

PR誌の書き下ろし連載からベストセラーがでることもあります。
有名なところでは,さくらももこ『もものかんづめ』シリーズは集英社の『青春と読書』に連載されていました。

出版社のPR誌はどこで手に入るの?

出版社のPR誌は書店で手に入ります。

だいたいレジ横スペースやパンフレット関係が置いてあるところに並んでいることが多いです。

また,出版社のウェブサイトから定期購読を申し込むこともできます。

最近はウェブ公開している出版社も増えてきました。

出版社のPR誌はいくらなの?

出版社のウェブサイトの定期購読申込みページには定価の記載があり,出版社によってまちまちですが,年間購読が1000円~2000円程度の価格設定が多いです。

だいたい年10冊くらい刊行されるので,1冊100円くらいです。

格安ですね!

たしかに格安なんですが……

通勤・通学途中に大きめの書店がある場合には,定期購読を申し込むのはちょっと待ってください。

実は,出版社のPR誌は書店のレジ横などで無料配布されていることがあります。無料配布している場合には定価表記部分がマジックで消されていたりします(そんな加工はせずに無料配布していることもあります)。

この仕組みがまだよくわかっていないのですが,同じPR誌でもある書店では無料配布,ある書店では定価販売,ということがあります。比較的大きめの書店なら,無料配布していることが多いですね。

ためしに読んでみたいと思った人は書店員さんに「出版社のPR誌っておいてありますか?」と尋ねてみてください。その際に,どれが無料配布か遠慮せずに確認してみてください。書店員さんもPR誌が無料だったり有料だったりすることがあることを知っていますので,質問しても変に思われることはないです。

なんでこんなことが起こるのかは謎です。書店と出版社のつながりによって無料・有料が決まるのでしょうか……。業界の人ならわかるのでしょうが……。

とはいえ,プロの人が書いた文章が無料で読めるというのはありがたいです。気のせいかもしれませんが,執筆者もPR誌への掲載ということで肩の力が抜けた文章になっていることが多い印象です(素人が偉そうなことを言ってすみません……)。人柄が出ているような文章によく出会います。

どんな出版社がPR誌を出しているの?

網羅的ではないですが,下記のような出版社がPR誌を出しています。

詳細は各社のウェブサイトで確認してみてくださいね。

法学部生になじみがある出版社

  • 東京大学出版会『UP』
  • 有斐閣『書斎の窓』

法学部生にとって教科書などでなじみ深い東京大学出版会有斐閣もPR誌を刊行しています。

東京大学出版会の『UP』には本当に多くの学問分野の記事が載っています。大学出版会ということで刊行する分野も多岐にわたるので,PR誌も多くの分野の記事が載っているのでしょうね。これを定期購読するだけで,それなりの教養が身についてしまいそうな内容です。

有斐閣の『書斎の窓』は記事をウェブで公開していますし,冊子本体も無料です。無料で定期購読が可能で送料もかかりません。気軽におためしができますね。

その他の出版社

  • 朝日新聞社 『一冊の本』
  • 岩波書店 『図書』
  • KADOKAWA 『本の旅人』
  • 集英社 『青春と読書』
  • 新潮社 『波』
  • 筑摩書房 『ちくま』
  • 丸善 『學鐙』
  • みすず書房 『みすず』
  • 吉川弘文館 『本郷』

小説を読むのが好きな人は,『青春と読書』『本の旅人』『波』『ちくま』あたりは楽しめると思います。

小学館や講談社をはじめとして,上記以外の多く出版社もかつてはPR誌を刊行していたのですが,WEB版に移行したり,休刊したりしてしまいました。

PR誌は薄くて暇つぶしや気分転換にちょうどよかったのですが,種類は減ってきています。PR誌ファンとしては,手軽に安く良質な文章が読めるPR誌がこれからも残っていってほしいなと思います。