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関西スーパーとオーケーストアの株主総会決議をめぐる争いについての雑感(その5・最高裁が抗告棄却,決着)

雑記

2021年12月14日,関西スーパーとオーケーストアの一連の争いについて,最高裁は許可抗告を棄却する決定を下しました。これによって,臨時株主総会の決議は有効というお墨付きを得たことになるので,H2Oリテイリングと関西スーパーの統合が進むことになります。

最高裁決定からすでに数日たってしまっていますが,自分の備忘のために,メモしておきます。

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最高裁の判断

最高裁決定の原文を見ていないので,報道されている限りですが,下記のような判断だったようです。

  • 大阪高裁が認定した事実関係の下では,(白紙の投票用紙を投票してしまった)株主の意思は賛成であったことは明白である
  • 大阪高裁の判断は結論において是認できる

大阪高裁の決定原文も見ていないので,想像ですが,高裁段階ではかなり詳細な事実認定がなされたのではないかと予想します。仮処分ということで,地裁段階では,原告・被告ともに時間がない中での応酬になりますが,高裁段階では,地裁の決定を受けて焦った関西スーパー側が,地裁では不十分な首長しかできなかった点や追加で準備できた詳細な事実関係などを示したのではないでしょうか。ただの想像ですが。

最高裁の決定原文を見てみたいですが,「高裁が認定した事実関係の下では」・「結論において是認できる」といった表現からすると,事例判断に近いのかな,という印象です。

その意味で,総会実務への影響は大きくはなさそうです。少なくとも平時の株主総会にはほぼ影響はなさそうです。

各社のその後

オーケーストアは,最高裁決定の当日のプレスリリースで,潔く買収からの撤退を表明し,反対株主の株式買取請求権を行使して,保有株式を関西スーパーに売却することを表明しています。

また,マーケットでは,オーケーストアの撤退を受けて,関西スーパーの株価は一気に値下がりしました(オーケーストアによるTOBを期待して株価が上がっていましたが,その可能性がなくなったことによる失望売り)。

2021年12月15日,H2Oリテイリングと関西スーパーが統合されました(株式交換の効力発生)。経営統合を受けて,エイチ・ツー・オー食品グループ社長の林克弘氏が関西スーパーの代表取締役社長に就任し,福谷耕治社長は取締役に就くことも発表されました。林新社長はH2Oリテイリングの生え抜き(阪急百貨店からの)で,H2Oリテイリング本体の副社長も務めています。

オーケーストアは関西進出を断念するのか?

オーケーストアの社長がマスコミの取材に答えたところによると,手法は未定であるが,関西進出は諦めたわけではなく出店の意欲を示したようです。

今回の騒動で,オーケーストアの関西地区での知名度は一気に上がりましたし,同社が得意とする低価格路線は関西の人々の大好物です(笑)。

多くのニュースでも言われていましたが,オーケーストアにとっては,京阪神地区はすでに発展していることから,優良な立地確保が大きな障壁であると指摘されています(いい土地・テナントが残っていない)。知名度を獲得した今,立地さえ確保できれば一気に進出しても十分に勝機はあるのかもしれません。

その点をクリアしていざ関西に進出してくるとなると,関西スーパーやH2Oリテイリング,ライフといったスーパーとっては脅威となりそうですね(消費者としては選択肢が増えることは大歓迎です)。