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婚姻届や出生届等の押印が不要に?――戸籍法施行規則改正

婚姻届や出生届等の押印が不要に?――戸籍法施行規則改正法学部

昨日(2021年8月27日)の官報で,法学徒としては興味深い改正が公布されていました。

戸籍法施行規則(昭和22年司法省令第94号)の改正(令和3年法務省令第40号)です。

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戸籍法施行規則令和3年改正(令和3年法務省令第40号)の概要

届出の押印が任意に

今回の改正で,戸籍に関する各種の届け出に押印が不要になりました(正確に言うと,用紙に押印欄は残りますが,押印は任意となりました

改正された届出

今回の戸籍法施行規則の改正で押印が不要になった(任意になった)届出は下記の通りです。

  • 出生届(附録第11号様式)
  • 婚姻届(附録第12号様式)
  • 離婚届(附録第13号様式)
  • 死亡届(附録第14号様式)

婚姻届と離婚届には,証人の署名欄がありますが,証人署名欄についても押印は不要になりました(任意になりました)。

結婚も離婚もハンコ不要になったんですね。

ドラマなどでよくある「離婚届に判を押してくれない」というセリフやシーンが過去のものになりそうです。

押印不要となった改正後の様式(届出用紙)の例

様式の改正としては,上記4つの様式(届出用紙)ともに同じような内容なので,例として,婚姻届を見てみましょう。

下記の通り,改正前は「署名押印」となっている箇所が「(※押印は任意)」と変更されています。

改正前の婚姻届

改正後の婚姻届

なぜ押印欄を残したのか,その理由は不明ですが,日本人のハンコに対する信頼性提出書類にはハンコが必要という刷り込まれた意識を考慮すると,いきなり押印欄を消し去ってしまうとかえって混乱が生じてしまいそうですね。

役所に「ハンコはどこに押すの?」とか「ハンコはいらないの??」といった問い合わせが増えると役所の対応の手間も増えてしまいそうです。

そのあたりを考慮して押印欄を残したのか,それとも別の理由で押印欄を残したのかはよくわかりませんが。

いつから押印不要になるの?――施行日は?

この戸籍法施行規則の令和3年改正(令和3年法務省令第40号)の施行日は下記の通りです。

令和3年法務省令第40号(戸籍法施行規則改正)

   附則
 (施行期日)
第1条 この省令は,令和3年9月1日から施行する。

上記の通り,2021年(令和3年)9月1日から施行です。

この日以降,役所においてある出生届婚姻届離婚届死亡届は改正を反映した新しいものに置き換えられていくことになります。

役所でもらった届出用紙が改正前のものだけど使えるの??

2021年(令和3年)9月1日以降も従来の用紙が残っている場合もあります。あるいは改正前に事前に届出用紙をもらっていて,提出が改正施行後を予定している人もいると思います。

この場合,古い届出用紙(改正を反映していない届出用紙)を改正施行後(2021年9月1日以降)も使えるのか,と疑問に思う人もいるかと思います。

これも問題なく使えるように附則に経過措置が定められています。ですので,改正を反映していない古い届出用紙があるからといって違法であるとか届出を受け付けてもらえないといった事態は生じないので安心してください。

古い届出用紙(改正を反映していない届出用紙)を改正施行後(2021年9月1日以降)も使えます。

令和3年法務省令第40号(戸籍法施行規則改正)

   附則
 (届書の用紙に関する経過措置)
第2条 この省令の施行の際現に存するこの省令による改正前の様式による届書の用紙は,この省令の施行後においても当分の間使用することができる。

さいごに

押印が不要になることで,偽造などが増えるのでは?と心配になる人もいるかもしれませんね。

もっとも,改正前の押印欄も実印である必要もなく,単なる認印でよいとされていましたから,押印そのものに偽造等を抑止する効果はほとんどなかったので,押印不要となっても,その点は従来とあまり変わりはないと思われます。

偽造等を防ぐのであれば,届出窓口での本人確認等をしっかりと行うことで一定程度防止できるかと思われます。

万が一,自分の知らないうちに,婚姻届や離婚届等が勝手に提出されていたような場合は,簡単には訂正等ができませんので,すぐに弁護士に相談することをおすすめします。