親戚とかに法学部で学んでますとか言うと,高確率で「将来は弁護士か?」って言われたりしませんか?
法学部あるあるですよね。
まあたしかに法学部にいれば司法試験合格を目指して頑張っている人が身近にいますけど,法学部生のほとんどは民間企業に就職しますよね。ほかの学部と同じように就職活動もします。
就職活動については下記の記事もありますので,興味があればご覧ください。
法学部はつぶしがきく?
かつては「法学部はつぶしがきく」なんてことをよく言われていました。これの意味するところは,いろいろありますが,広義には,法学部を卒業することによって就職口が狭くなるようなことはない,ということだと思います。
ポジティブに捉えれば,法学部生はどんな企業でもやっていけるということになりますが,でもこれって逆に言えば,法学部に通っていることのアドバンテージとか特色があんまりないっていう意味にも聞こえませんか?
経済学部や商学部みたいに,経済・ビジネスとつながりが深い,もしくは,経済・ビジネスの動きそのものを扱うことは法学部ではあまりないので,民間企業の就職活動において,大学で学んだことをアピールしづらいと感じる法学部生もいるかもしれません。
弁護士資格やほかの法律系の資格を持たない法学部生は民間企業に必要とされているのか,もし必要とされていればどんな点がほかの学部と比べて秀でていると評価されているのでしょうか。
それが分かれば,アピールもしやすいですよね。
企業は法学部生になにを期待しているのか
企業は法学部生になにを期待しているのでしょうか。
また,実際に法学部生はどんな風に企業で活躍しているのでしょうか。その活躍と大学で学んだこととの関連はあるのでしょうか。
それがよくわかる雑誌記事がありましたので,紹介したいと思います。
法学部の就活生必読の雑誌記事
これから就職活動を始める法学部生,就職活動に行き詰まってしまい悩んでいる法学部生に是非とも読んでもらいたい記事です。
法学部がある大学であれば,図書館には入っているはずですから,講義のない空き時間とかで読んでみてください。
それがこちらです。
電子書籍版もあります。
ただし,こちらはプリント・レプリカ形式で、Kindle Paperwhiteなどの電子書籍リーダーおよびKindle Cloud Readerでは読めないので注意してください(Amazonの商品ページの注意書きをお読みください)。iPadのアプリやPCでは読めます。
法学教室という雑誌です。法学部生なら読んだことはなくても見かけたことや名前を聞いたことくらいはあるでしょう。ポケット六法や判例百選を刊行している有斐閣が出している学生向けの学習用雑誌です。学習用といっても,結構難しい内容が多いんですけどね……。
この2021年1月号の特集が法学部生の就職活動という視点から見ると秀逸でした。
就職サイト系の雑誌やWEB記事ではないので,なんというか作られた感じがしないんですよね。
就職サイト系の記事も決して嘘を書いてはいないと思いますが,その媒体の特性上,たくさんの人に応募してほしい=自社をよく見せたい,という方向に傾きがちで,待遇面やその人がいかに充実しているか,という面が強調されがちです。ちょっと内容を盛ってる感じなんですよね。
それに比べて,この記事は,企業が法学部生に期待していることや法学部の卒業生がどんなキャリアを歩み,法学部で学んだことがどう活かされたと感じているのか,に焦点を絞って紹介されています。
これは就職サイト系の記事ではなかなか見かけることのない構成だと思います。それゆえ,読んでおけば,読んでいない法学部生よりも大学で学んだことを就職後に活かすことをアピールできるでしょう。就職活動,とくに面接の場で重要なのは,面接官に入社後に自分が活躍するイメージを具体的に持たせることができるかどうかという点です。面接官の目線になるとわかると思いますが,自社入社後に活躍するイメージや一緒に働くイメージがわかない人を採用しようとは思いませんよね。
この特集の気になる内容ですが,以下の通りです。
- 〈対談〉社会における法学部人材の意義とは
労働法の小西康之先生と明治安田生命保険相互会社の役員の方の対談です。
大きなテーマの話ですから,やや抽象度が高い内容にはなりますが,具体化すれば自己アピールに仕えそうなヒントもありそうです。なにより,役員レベルの人が法学部生をどう見ているのか,を知る貴重な文献です。
- この業界,法学部人材が欠かせません!
こちらでは,数人の法学部の卒業生が入社後のキャリアを紹介しながら,働くうえで法学部で学んだことがどう活かされたのかやほかの学部を卒業した同僚と自分は何が違っていると感じているかなどが語られています。
4人の執筆者が登場します。その業界もさまざまですので,就職する業界の選択に迷っている法学部生や業界研究をしたい法学部就活生にもおすすめです。
4人の所属企業は以下の通りです。
- 他分野からみた法学の強さ
こちらは心理学分野と経済学分野から見た法学の強さや特徴が書かれています。
こういうのはなかなか法学部の中にいると気が付かないことがありますし,また,それを意識することでほかの学部の就活生との違いをアピールできる材料にもなるのではないでしょうか。
以上がこの特集の内容です。
法学教室の特集は勉強系であることが多く,その記事の水準もロースクール生や法科大学院進学組・予備試験組ではない法学部生には高度であることが多いのですが,この特集は法学部生にひろくおすすめできます。
とくに民間企業に就職する予定の法学部の就活生にはおすすめです。
2022年は法学セミナーで法学部と仕事内容についての特集が組まれていました。