法学部と就職活動――法学部の勉強と自己アピール

法学部
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わたくしはごくごくふつうのサラリーマンです。
ですので,当然,就職活動就活)をしました。

そのとき困ったのが自己アピールなんです。
なぜなら体育会に所属していたわけでもなくサークルに入っていたわけでもないので,面接時に話せるほど内容のあるストーリーがなかったのです。
こういう人結構いませんか?あんまりいないかな……。
興味がある人は少ないかもしれませんが,私いかにして就職活動を乗り切ったか,完全な体験談でしかないですがご参考までに。

法学部の就職先(卒業後の進路)

私の周りの同級生の進路は以下のようなものです。
(友達少ないからサンプル少ないですけど……)

  • 民間企業(銀行,証券,不動産,ITなど業種はいろいろ)
  • 地方公務員
  • 警察官
  • 国税庁
  • 士業(法科大学院進学含む)
  • 家業を継ぐ

法学部生の民間企業への就職

法学部といえども士業に就くのはごく少数。
圧倒的多数は他の学部と同じく一般企業に就職します
就活が必要になりますね。
エントリーシートの書き方や業界研究・企業研究は別に詳しい本もサイトもたくさんあるので割愛します。

志望業界とおすすめ履修科目についていくつか記事を書きましたので興味があればご覧ください。

自己アピールに困る――勉強以外にアピールするものがない

そういった本やサイトでも明確に「答え」が書いていないのが自己アピールですね。

私も苦労しました……。

なぜなら勉強以外はほとんどなにもしていなかったからです。
キラキラしたキャンパスライフとは縁遠いところにいましたw
芸人さんのような巧みな話術で小さなエピソードでも聞かせる内容に仕立て上げる能力があればよかったのですが到底無理な話です。

志望動機とかはなんとかひねり出してエントリーシートの枠を埋めましたが,自己アピールでは筆が止まる。面接時にもつっかえる。そんなことが続きました。

徐々に追い詰められてしまいましたが,開き直って法学を勉強したこと猛然とアピールすることにしました。
今思えば開き直る前は「法学部なんだから法学の勉強をしているのは当たり前でアピールになんかならない」と考えていたのだと思います。

(社会人になったからこそ言えるのかもしれないですが,面接時における自己アピールの材料なんて本当に何でもいいのです)

とはいっても,「勉強頑張ってました!」って言ってもいまいちアピール度は弱いですよね。

法学の勉強を頑張った結果として,他の人と比べてこんなところが優れていると思います,きっと役に立ちますよ!とアピールしてました。文字にするとなかなか上から目線ですがそれくらいの勢いと自信は必要だと思います(尊大にならないようには気を付けていましたが)。
(実際に優れているか,役に立っているかどうかは……ご想像にお任せします……)

法学部生として勉強を頑張ったことの自己アピール

抽象的ですが以下の2つをアピールしてました。法学の勉強を頑張った結果としてたどり着いたものですので,法学部の魅力,法学部のメリットということもできそうですね。
具体的な自己の体験に落とし込むことは自分で考えてみてくださいね。

法学部の魅力,法学部のメリット

文書作成能力
論理的思考・利害調整

※2つじゃなくて3つじゃない?と思うかもしれませんが2つにまとめた理由は後ほど。

文書作成能力

学部時代は論述式問題をたくさん解いたりしていましたので文章を書いて書いて書きまくってました

そこまでいかなくても法学部の試験問題は論述式が多いですよね。ほかの学部に比べて文章を書く量は多いのではないでしょうか。立派なアピールポイントになると思います

他の学部にも長めの文章を書く機会として卒論がありますが,一般的な就職活動時期には卒論はまだ未完成のはずです。卒論テーマが決まりかけたくらいの時期ではないでしょうか。

(完全な個人的意見ですが)法学部出身の人の文章はよく考えられていると感じることがあります。
別に他学部出身の人が文章が下手とかではなく,そもそも上手い下手の問題でもないのですが,よく考えられているのです。

これは,法的紛争では常に「相手方の言い分」を意識する必要があり,きちんとそれに応えるという訓練がなされているからではないかと思っています。
法的な場面では「言わなくてもわかってくれる」ということはあまりなく,きちんと主張し反論し立証しなければならないのです。常に相手の反論を想定するクセが身についているので,なにか文書を作るときも先回りしてさまざまな思いや考えをめぐらせて文章を書いているのかなと勝手に想像しています。

こんな特徴をとらえて,法学部出身はやたらに細かい,くどい,口うるさいと感じる人もいるかもしれないですね……。

論理的思考・利害調整

どちらが鶏でどちらが卵かわかりませんが,上記のように文書作成にあたっては論理的思考と利害調整を行っています。

文書作成能力を先に持ってきたのは,即戦力アピールのためでした。
自己アピールのストーリー次第では順序が逆になるかもしれないですね。

(社会人になると自分で文章を書く機会はとても増えます。文書で伝える能力は地味ですが重要です)

なぜ論理的思考と利害調整を独立させなかったかというと,この二つは相互に密接に関連していると考えていたからです。

たとえば,ある紛争で形式的な論理だけを追うとAという結論になりそうだが事案の解決として明らかな妥当性を欠くためBという結論にしたい。当事者双方をBの結論で納得させる必要があるが利害をよく観察し調整したうえで解決策として論理が通った結論を導き出す必要がある。

このような思考を巡らすとき,利害調整と論理の操作はいったりきたりの関係になっているなと感じていたので,それをそのまま示して自己アピールにしていました(もちろん自分としての体験等に落とし込んで具体性を持たせたストーリーも話していました)

自己アピールのポイント

就職活動の自己アピールの場面で「こんなことをやりました」「こんなことを頑張ってました」と言うだけの人もいましたが,面接はよくがんばったねと褒めてもらう場ではないです。

「私はこんな人間だよ。こんな能力があるよ。私を採用するとこんなにメリットがあるよ」ということを相手に伝え,入社後に役に立っていることを面接官の頭の中にイメージさせることができるか否かが勝負の分かれ目です。

そういった視点で志望動機や自己アピールを考えてみてみるのもよいかと思います。
(就活アドバイザーでも何でもないので,いちサラリーマンの個人的意見です)

法学部生の就職先としての公務員(国税庁や警察官,裁判所事務官含む)

ほかの学部に比べて,法学部は公務員を目指す人の割合は多いですね。

これは公務員試験には法律科目が科されていることが多いためだと思います。この方向に進みたい人はとにかく試験勉強をがんばってください。一通りの範囲を学んだら過去問を何周もすることをおすすめします。実際,問題の出題パターンはそんなに多くはないです。過去問で間違えた問題をリストアップして弱点を一つずつ潰していくのが一番の王道かつ近道だと思います。

公務員関連については,下記の記事もご覧ください。

士業(法科大学院進学含む)

こちらも勉強第一ですね。
一人で勉強するのもよいですが,たまには同じ試験を目指す人同士で一緒に勉強するのもモチベーションアップになっていいと思いますよ。それに試験に合格するという絶対的な目標がある以上,情報交換も重要です。自分だけ知らなかった,なんてことは絶対に避けたいですよね。

また法科大学院に進学することを考えているなら早めの対策が必要ですし,もし進学についてなにか悩みなどがあればゼミの先生などにオフィスアワーで相談してみるのもよいでしょう。
法科大学院を兼任している先生も多いですし,兼任していなくても情報はたくさん持っていると思いますから,思い切って相談してみましょう。学生さんが思っている以上に大学の先生方の横のつながり(大学の垣根を超えた関係)は結構広いです(学会や研究会があるから当然なんですが,学生さんにはイメージしづらいでしょうね)。他大学の情報なんかも聞けることもあると思います

家業を継ぐ

これは私から何かをお伝えすることはないです。
ご家族でよく話し合ってください。
(このパターンの進路は以外に多かったです)

まとめ

雑駁な記事になってしまいましたが,言いたいことは一つです。

勉強だけしかしてこなかったとしても就職活動に不利になることは決してありません。
資格試験や公務員試験では有利になることは当然ですし,民間企業への就職活動でも有利になることはあっても不利になることはないです。

とくに民間企業への就職活動では,自分の見せ方が重要になります。
この人と一緒に働きたい」と思われる人はどんな人でしょうか?

みなさんの就職活動の成功をブログの隅っこから祈っております。

どうしても行き詰まってしまったときは就職活動のアドバイス・面接のコーチングのサービスを利用してみてもいいかもしれませんね。本当に勉強でもゲームでもなんでもいいのですが,しっかりとなにかに打ち込んだ経験があれば,あとは自分の見せ方次第だと思いますよ。