明日から7月。
多くの法学部では,前期試験が7月末あたりに設定されているのではないでしょうか。
よくあるスケジュールとしては,7月中旬まで講義,7月下旬に補講期間,その後に試験期間,というものかなと思います。
※ただし,今年は東京オリンピックもあるので,スケジュールが変わっている大学もあるかもしれませんね。十分に注意して確認するようにしましょう。
また,最後の方の講義になると,試験範囲や試験問題について言及する教員もいるので,可能な限り出席することをおすすめします。(最終回だけ出るような学生をよく思わない教員がいると,最終回ではなく,その前の回に言ったり,あるいは,そもそも言わない,といったこともあるかもしれません)
法学部の試験の形式
法学部の試験の形式は,論述式試験が多いです。
論述式試験にもいくつか種類があり,だいたい3つくらいに分けられるでしょうか。
- 語句説明
- 一行問題
- 事例問題
語句説明
語句説明(用語解説)は,その語句の定義などを数行で記述するものです。辞書でいうと,見出し部分が問題で,語釈部分が解答すべき内容,ということになります。
基本的な問題が多いので,この問題形式の場合はしっかりと確実に点数を取りたいですね。
一行問題
一行問題は,ある制度やある考えについて,比較的長文で答えさせるものです。単なる語句解説ではないので,対立する考えや類似の考え・制度と比較しながら,出題されている制度・考えの趣旨を明らかにしていくものです。
旧司法試験の民事訴訟法でよく出題されていました。例えば「弁論主義の下における証明責任の機能について,証明責任を負わない当事者の立証活動の在り方に関する規律に触れつつ,論ぜよ」といった感じです(平成16年の司法試験「民事訴訟法」)。
一行問題は,答え方に慣れていないと難しいと思います。
私もパニックになり,とにかく関係する条文をひとまずすべて挙げてから,整理らしきものをして,答案を書いた経験があります。とにかく具体的な条文を上げることは必須だと思います。
関係する条文がきちんと掲げられているかどうかは,採点基準となっていることが多いので,抽象的な問題ほど,具体的な条文に即して答えることをおすすめします。
条文を掲げることで,「自分はこの制度について理解している」というアピールになります。
事例問題
事例問題は,判例に現れた事件をベースにして,事実関係を問題文に示し,どのような法的問題があるかを問い,その紛争等を法的に解決させる,という形式の問題です。
問題によっては,判例とは関係なく,まったくの創作のケースもあり得ますが,多くの場合はすでにある判例をなんらか参考にしていることがほとんどです。
ですので,講義中に扱った判例については,判例集や判例百選等でしっかりとポイントを復習しておきましょう。
日本は制定法の国ですから,法的な解決には,具体的な条文の適用が必要になります。
ですので,事例問題の解答も,適用する条文をきちんと明示しなければなりません。記述内容自体に誤りがなくても,条文が示されていない場合には大きく減点される可能性が高いです。
日頃の勉強から,六法を確認して,問題となっている条文を確認する癖をつけるようにしたいですね。
法学部の論述式試験の書き方
法学部では避けて通ることができない論述式試験。
とはいえ,大学に入る前に,ばりばりと論述式試験を解いていた,という人は少ないと思います。
論述式試験(論文試験)の書き方がわからない!という人に向けて,下記の記事も書いてみましたので,もしよかったら参考にしてみてください。