本日,2020年11月19日(木)は,ボジョレー・ヌーボーの解禁日ですね。
ボジョレー・ヌーボーは毎年11月の第3木曜日に解禁されます。
(ボジョレーなのかボージョレなのか,ヌーボーなのかヌーヴォーなのか……本記事ではボジョレー・ヌーボーにしておきます。原語表記はBeaujolais nouveauですね)
ボジョレー・ヌーボーとワイン法
ボジョレー・ヌーボーの解禁日,業界の自主規制的なものではなくて,フランスの法令できちんと定められています。ボジョレーワインの人気が高まってきたころに,ほかの業者よりもはやく販売しようとするものが増え,それに伴い,粗悪品も出回るようになったため,「解禁日」が設定されたようです。
ワインはフランスの一大産業ですので,国家としてもそのブランド価値を守る必要があったのでしょうね。
ワイン生産国にはこのような「ワイン法」が制定されている例が多いです。
ボジョレー・ヌーボーの解禁日以外に有名なのが,シャンパン=フランス・シャンパーニュ地方でフランスのワイン法に定められた製法で造られるスパークリング・ワインのみを指す,というものですね。
これ以外はシャンパンではなく,スパークリング・ワインと呼ぶことになります。
日本のワイン法
日本にもワイン法があるのでしょうか?
すばり「ワイン法」という名称の法律はありません。
それどころか,近年まではとくに日本のワインについての法令はほとんど存在していませんでした。
それが2015年の「果実酒等の製法品質表示基準」(平成27年国税庁告示第18号)で「日本ワイン」の定義ができました。表示義務や製法などについて定められています。
日本のワインのレベルが上がってきて,国内消費だけでなく,日本のワインとしてのブランドを確立し輸出していこうという業界の積極的な姿勢と国産農産物を積極的に輸出していきたい政府の政策が一致したのでしょうか。
日本のワインが世界的に評価されてくることを期待したいですね。
ワイン法についての書籍
ワイン法に興味をもった方は下記の書籍を読んでみてください。
法律に詳しくなくても,とても面白く読めると思うので,チャレンジしてみてください。
法律の側面からワインのうんちくを語れるようになると一目置かれるかも……?(うんちくは食事の場の雰囲気を白けさせないにスマートに披露しましょう)
下記にあげる書籍は蛯原健介先生によるものです(『世界のワイン法』は共著)。
蛯原先生はワイン法を専門としています(日本では唯一かもしれないですね)。書籍だけでなく,ワイン法に関する論文もたくさん書いている第一人者です。