会社法の勉強方法――株式投資をおすすめするワケ

法学部
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会社法がわかりにくいと感じていますか?

会社法をわかりやすく解説しようとしている入門書のはしがきには,「会社法は学生にとって想像しにくい場面が多くわかりにくいと感じる人も多い」といったことがよく書いてあります。

たしかに,大学生には会社に触れる機会はアルバイト程度のことが多く,その実態まではよくわからないことが多いですよね。

そんな人にはぜひ株式投資をおすすめします。会社法の勉強には株式投資が役に立ちます!
投資といっても,会社法のためなら1つか2つ程度の会社の株式でOKですよ。

刑事訴訟法の勉強などで裁判傍聴をすすめられたりしますが,株式を購入して株主になれば,会社法でもそれと同じようなこと,すなわち株主総会への出席ができるようになります。

※過去の記事です。最新情報は各社のホームページなどでご確認ください。

会社法をわかりやすくするための株式投資

なぜ株式の購入なのでしょうか。

ある会社の株式を購入すると,当然その会社の株主になります。

株主になるとさまざまな株主権を得られます。

株主総会における議決権がその最たるものですね。

株主総会開催にあたっては,招集書類議決権行使書計算書類などが株主に開示されます。
それらの書類がどのようなものなのか,また,株主総会に出席することもできますから,実際にどのような手続が行われているのかを実際に体験することができます

教科書の解説だけで学ぶよりも体験した方が学習効率は高いですよね。

百聞は一見に如かず,です。

株式購入の方法

株式を購入するにはどうすればよいのでしょうか。

まずは証券会社に証券口座を開設する必要があります

原則として証券口座がないと株式を売買することができません。

最近はネット証券会社が増えてきており,手数料もネット証券口座の方が安いことがほとんどです。
法学部の学生が,勉強のために口座開設するならコストが安いネット証券会社がおすすめです。

証券口座開設の方法

ネット証券会社であれば,店頭に行かずに口座を開設することも可能です

未成年でも口座開設は可能です(親権者がその証券会社の口座を持っている必要がありますが)。
といっても会社法を履修する段階では成年に達している人も多いでしょう。

必要書類はどこの証券会社もだいたい同じです。

  • マイナンバー確認書類
  • 本人確認書類

この2種類は必要です。

その他必要になる書類はあまりないと思いますが,詳細は各証券会社のホームページ等で確認してください。

会社法の勉強と証券口座開設のメリット

豊富な経済ニュースが閲覧できる

証券口座開設のメリットとして,私が挙げたいのは,詳しい経済ニュースが閲覧できる,という点です。

就職活動を始める際に,就職情報サイト・雑誌などに日本経済新聞を読みましょう,というアドバイスがあると思いますが,似たようなニュースは証券会社が口座開設者向けに出しているニュースで足ります
というが,十分すぎるほどです。
採用する会社側も,就活生に経済ニュースに関する深い考察や知識までは求めていません。

わかりやすい会社法の用語解説が閲覧できる

会社法や金融商品取引法の用語に関する解説コーナーが設けられていることが多いです。

用語解説としては必要かつ十分な情報量で,かつ,ニュースを読みながら用語解説も確認できるので学習効率も高いです。

たとえば,TOB(株式公開買付)が行われるときには,その手続きや用語について解説があります。

証券口座開設のデメリット

口座維持手数料がかかる証券会社がある

証券会社によっては口座維持手数料(口座を持っているだけで手数料がかかる)が必要な場合があります。

ただし,ネット証券会社では,口座維持手数料が不要なところがほとんどですので,安心してください。
(手数料が必要なのは対面販売を主力にしているような証券会社ばかりです)

おすすめの証券会社

SBI証券

ネット証券会社の大手です。

売買手数料も安いですし,初心者にはおすすめです。
売買の画面も直感的でわかりやすいと思います。

またIPOについては,IPOチャレンジポイントというものがあります。
学生時代からコツコツとポイントを貯めればいつかはIPOに当選することができそうですね。

IPO新規公開株です。
新規上場とも呼ばれます。
証券市場で新たに売買することができるようになる株式のことで,いわば株式のデビュー戦のことです。
デビュー前に株式を一定の価格(発行価格・売出価格)でその株式を証券会社を通じて購入したい人に販売します。
購入したい人が多ければ証券会社のお得意様に優先的に配られたり,抽選になったりします。
その後,IPOの上場日に初めて市場価格が形成されることになるのですが,上記の発行価格・売出価格よりも高値になる確率が高いのです。
あくまで確率が高いだけで,たまに公募割れ(発行価格・売出価格より安値で初値が形成されること)もあります。もっともかなりの確率で発行価格・売出価格よりも高値になるため,人気が高く,倍率も高いです(繰り返しになりますが投資なので絶対はないですよ)。

岩井コスモ証券

中堅の証券会社ですね。

岩井コスモ証券もネット証券取引に力をいれています。

岩井コスモホールディングスの完全子会社ですが,親会社は100年の歴史を持つ老舗ですので,安心感がありますね。

また,岩井コスモ証券の特徴として,IPOの配分にコンピュータを利用した平等な抽選を採用しているところが挙げられます。少ない資金量でIPO当選を目指すならおすすめです。

株式売買のリスク

株式は価格が変動するものですので,当然,購入した価格より価格が下がることがあります。
元本保証はありません

損をする可能性があることを十分に理解した上で株式投資をしましょう。

会社法の勉強と株式売買の注意点

本記事は会社法の勉強のために株式の売買をおすすめするものですが,その観点から下記の点に注意してください。

権利確定日に注意

1つ目は権利確定日です。

株主総会に出席する権利や議決権を行使する権利は,権利確定日に株式を持っている株主に与えられます。

ですので,権利確定日の前に株式を売ってしまうと,株主総会の招集通知は届きませんし,当然,出席や議決権行使はできません
配当株主優待についても同じく権利確定日がありますので,注意しましょう。

単元株――ミニ株に注意

2つ目は単元株です。

議決権の行使するためには,原則として,株式を1単元持っていることが必要です。
多くは100株=1単元となっています。

最近は少額投資としてミニ株売買というものがあり,1株から購入できたりしますが,ミニ株の購入を重ねて1単元に達したとしても,議決権行使ができないこともありますので,注意しましょう。

どんな株式を買えばいいの?

株式売買はリスクを伴うものですので,自己責任で選んでいただきたいのですが,ポイントとしてはまずは以下の点に着目して銘柄を選んでみてはいかがでしょうか。

予算

投資は余剰資金で行いましょう!

使う予定のあるお金や生活資金での投資はおすすめしません

最悪0円になってもいいくらいの値段の範囲内で考えましょう

株式1単元の価格はピンからキリまであります。
1万円を切る株式から100万円を超えるものまであります。

自分の予算に応じて,決して無理のない範囲で投資しましょう。

会社の事業内容

本当にさまざまな会社が上場しています。

株式を買おうとしている会社がやっている事業内容を知っていますか?

株式の売買に慣れてきたら,全く知らない会社の株式を購入してもよいと思いますが,基本的には,株式売買は投資であり,その会社に資金を投入する=その会社を応援したいということですので,個人的な考えですが,はじめのうちは事業内容に馴染みのない会社は避けた方がいいと思っています。

事業内容を知っていれば,その会社の業績なども理解しやすいと思いますよ。

たとえば,自分がよく買い物をしたり,サービスを利用したりするお店を運営している会社がよいかもしれませんね。また,自分の趣味の内容に関係する企業や自分が応援しているスポーツチームのスポンサーなどでもよいかもしれませんね。

株主優待

株式を1単元持っていると株主優待を受けることができる会社があります。

証券会社のホームページで株主優待の有無で検索もできます

優待内容はその会社の商品の割引券やQuoカードなど,さまざまです。
自宅近辺でよく利用する店舗の株主優待があればお得ですね。

反対に,株主優待が魅力的でも,お店が遠いなど,自分が利用する可能性が低い場合は無駄になるだけですから,よく吟味しましょう。
(金券ショップで売ることもできたりしますが,面倒ですよね)

購入のタイミング

こればっかりは正解はないです。

1ついえることは株式価格は上下を繰り返します

長い目でみると株価の上下に大まかな規則性が見つけられることもあります。
株価のグラフをいろんな期間(日,週,月,年)で区切ってみてみるとよいでしょう。

証券会社のグラフには,株価のグラフに補助線を引く機能もあるので,利用してみましょう。

ただ,株価が「必ず上がる(必ず下がる)」という点(価格)はありませんので,最後は自分の決断が必要になります。

グラフだけでなく,会社が公表している決算書などの財務諸表も分析できるようになるとよいですが,初心者にはなかなか難しいと思いますので,はじめはグラフとにらめっこしながら購入するタイミングを見極めるのがよいかと思います。

やっぱりいきなり高額な投資は怖い……そんな人にはミニ株

投資は利益が出ることもあれば,損をすることもあります。

いきなり単元株の購入だと数万円することも多いですので,躊躇してしまう人も多いと思います。

そんな人にはミニ株の売買がおすすめです。

小額から投資が可能で,慣れてから単元株の取引に移ってもよいでしょうし,コツコツとミニ株オンリーで続けてもよいでしょう。

ただし,ミニ株取引だと,ミニ株の購入を重ねて株式数が単元株の株式数に達しても,議決権行使などができないことがありますので,その点は各証券会社の注意書きをよく読んでくださいね。

またすべての上場株式がミニ株取引に対応しているわけではないので,購入したい会社のミニ株がない場合もあります。

ミニ株取引のおすすめ証券会社

SBIネオモバイル証券だと,なんとTポイントで株式が購入できます。

ミニ株ですので,もちろん1株から購入可能です。

もっともミニ株とはいえリスクは当然ありますので,余剰資金で投資をすることをおすすめします。

会社法の勉強方法としての株式売買のまとめ

株式売買というと,学生にとってはハードルが高いなんか怖い,と思う人もいるかもしれません。

投資には当然リスクもあるので,最終的には自己責任で株式売買をするかしないかを決めてほしいのですが,金銭的なメリット以外に,法学部生にとっては動く会社法を体験することができるという大きなメリットがあります。

私も大学生から株式投資を始めました。
現在も投資継続中です。
トータルでは若干利益が出ていますが,もちろん損をしたこともあります

株式を持っていると聞き流していた経済ニュースも自分のこととして注目することになりますし,学生時代に株主総会にも行くことで取締役の選任や配当の決議を体験して会社法の理解が深くなりました

刑事訴訟法で裁判傍聴に行くことで,公判の流れがわかる,といわれうことも多いですが,会社法も同じです。裁判傍聴はコストが交通費くらいしかかかりませんが,株式売買は一定の資金が必要でリスクもあります。

ただ,社会人になってから株式売買について学ぶとなると時間の確保なども難しくなってくると思いますので,学生のうちにごく少額でも投資に触れておくことは今後の人生にとっても有益だと思いますよ。

また,会社が公表する決算書などの財務諸表に慣れておけば,社会人になってからも役に立つことも多いと思いますよ。