2022年も終わりですね。
少し早いですが,12月の気になる新刊をチェックしておきたいと思います。
学生向け
学生――主に司法試験受験生,予備試験受験生,法科大学院生――に待ち望まれていた法学教室の連載の単行本化です。同じく橋爪先生の総論を使っている人にとってはまさに切望していた1冊ですね。
他の法分野で評価の高いものが多いシリーズに刑事訴訟法が加わりました。刑事訴訟法のテキストは定番のものがいくつかあるのですが,いずれも少し分量が多いものが多いことを鑑みると,本書は刑事訴訟法の1冊目のテキストとしては最適なのではないでしょうか。
著者はお二人とも東大系ですね。
実務向け
DXが推進されていますが,そこでどうしても必要になる個人情報の取り扱い。データ活用と個人情報保護の両立のための要諦をつかむための1冊です。
有名企業の実践事例も紹介されています。
いまやどの企業もアプリを開発していますね。
ここ数年でブラウザ→アプリへの流れが一気に早くなった印象です。
本書はアプリ開発に関する法務の実務書です。本書の旧版にあたる「アプリ法務ハンドブック」(レクシスネクシス・ジャパン,2015年)は定番所でした。法務関係者だけでなくエンジニアサイドからも理解できる内容となっています。
一般向け
家庭の医学的な感じで手元にあるとよさげな1冊。
法改正にあわせて適時に改訂をしてくれるとありがたいですね。便利そうな目次だてになっています。
大日本帝国が戦争へと突入していく様子を,外交官でアジア初の国際司法裁判所所長を務めた安達峰一郎を通して解き明かす1冊です。戦争という現実を前にした当時の国際法学者の苦悩・葛藤が描かれています。国際法学の業績を表彰する「安達峰一郎記念賞」というものがありますね。