3月は,本がたくさん刊行されますね。新年度にあわせて新しい教科書や改訂版が刊行ラッシュになるイメージです。
その前に2月の新刊書・改訂版で気になる本をメモしておきます。
先月の記事はこちら。
学生向け
憲法ガールⅠ・Ⅱや行政法ガールⅠ・Ⅱでおなじみの大島義則先生の新刊です。
「行政法事例問題を解くための入門書」です。行政法の基礎を学んだあとに,いよいよ問題演習に取り組む際に読んでおくとよさそうです。民法や刑法・刑事訴訟法などはドラマや小説などでも題材になることは多いのですが,行政事件は少ない印象です。それゆえに貴重な1冊ですね。
定番の入門書の改訂版です。イチオシの入門書です。もし刑法でつまづいている人がいれば,一度読んでみてください。もちろんこれから刑法を学び始める人にも最適の1冊です。
刑事訴訟法なども含めた刑事法の全体像がスッと頭に入ってきます。
実務向け
立案担当者による民法改正・不登法改正・相続土地国庫帰属法のQ&A解説ですね。当局による解説なので,実務上重要になってくるので,手元に置いておきたいですね。
同様の見解を採るか否かは自由ですが,立案担当者がどう考えているのかを知っておくことは有益でしょう。
機関投資家……。ニュースで聞いたことはあるけど……。という人が多いでしょうね。
本書はそんな疑問に直接答える本ではないのですが,機関投資家の考え方などを知ることができる1冊です。もともとは旬刊商事法務での連載記事(インタビュー)です。ちょっとレベルが高いかもしれませんが,興味のある人は是非。インタビューや座談会形式なので,読みやすいと思います。
その他
今月も出ました○○六法。いったいいつまでこのブームが続くのでしょうか?タイトルに六法とついていますが,法令集という側面は低く,労働法関係の解説書ですね。
本書とは話がそれますが,労働法や社会保障法関係は,法改正が頻繁なので,できるだけ新しい本を参照することをおすすめします。
番外編
番外編ですが,団藤刑法の電子書籍が刊行されました!最高裁判事もつとめた団藤重光先生の著作です。刑法を学んだことがある人は必ず目にしたことがある名前だと思います。
さすがにリフロー形式ではないようで,書籍を画像化した電子書籍のようです。
例えばamazonの詳細ページの注意書きには「※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。」とありますので,購入する場合は注意してください。
もともとの出版社の創文社は解散済みですが,既刊本(著作権者許諾済みのもの)は講談社が電子書籍で刊行すると発表していましたが,その一つでしょうね。
古典がこのように気軽に読めるようになるのは大歓迎です。
団藤刑法のほかにも鈴木禄弥先生(民法)の著作など多くの創文社刊行の書籍が講談社から電子書籍化されているようです(リンクはamazon)。