択一六法が初学者にもおすすめという記事を出しました。
その記事で紹介している主要な択一六法のLEC東京リーガルマインドの『完全整理択一六法』シリーズ と早稲田セミナーの『逐条テキスト』シリーズですが,どちらがよいのか迷う人も多いと思います。
そんな人のために,LECの択一六法(完択)と早稲田セミナーの逐条テキストを比較してみました。
購入の参考にしていただければと思います。
LECの択一六法(完択)と早稲田セミナーの逐条テキストの概要
完全整理択一六法(LEC東京リーガルマインド)――通称:完択
書名・編著者
LEC東京リーガルマインド編著『〇〇年版 司法試験&予備試験 完全整理択一六法 ○○法』
刊行科目(2022年版)
憲法・民法・刑法・商法(会社法含む)・民事訴訟法・刑事訴訟法・行政法
ページ数(Amazon書誌情報)(2022年度版)
- 憲法 648ページ
- 民法 920ページ
- 刑法 624ページ
- 商法(会社法含む) 920ページ
- 民事訴訟法 664ページ
- 刑事訴訟法 688ページ
- 行政法 584ページ
版型(2022年版)
B6
1ページの文字数(概算,2022年度版)
約1400字
※図表や見出しも多いので,実際の文字数はこれより少ないと思います。
価格(2022年版)
- 憲法 2860円
- 民法 3630円
- 刑法 2860円
- 商法(会社法含む) 3630円
- 民事訴訟法 2640円
- 刑事訴訟法 2640円
- 行政法 2640円
発売日(2022年版)
2021年8月下旬~9月中旬(科目により異なります)
逐条テキスト(早稲田セミナー)
書名・編著者
早稲田経営出版編集部『司法試験・予備試験 逐条テキスト ○○法 ○○年』
刊行科目(2022年版)
憲法・民法・刑法・行政法・商法(会社法含む)・民事訴訟法・刑事訴訟法
ページ数(2022年度版)
- 憲法 600ページ
- 民法 572ページ
- 刑法 364ページ
- 行政法 436ページ
- 商法(会社法含む) 624ページ
- 民事訴訟法 416ページ
- 刑事訴訟法 464ページ
版型(2022年版)
A5
1ページの文字数(概算,2022年版)
約1600字
※図表や見出しも多いので,実際の文字数はこれより少ないと思います。
価格(2022年版)
- 憲法 2640円
- 民法 2970円
- 刑法 2420円
- 行政法 2640円
- 商法(会社法含む) 3190円
- 民事訴訟法 2640円
- 刑事訴訟法 2640円
発売日(2022年版)
2021年8月下旬(科目により異なります)
徹底比較――LECの択一六法(完択)と早稲田セミナーの逐条テキスト
分量(ページ数)(2022年版)
- 完全整理択一六法(LEC)の方が多い
版型の違いや1ページに入る文字数などを考慮したとしても圧倒的に完全整理択一六法(完択)の方が多いです。
ただ,いわゆる択一六法はまとめや知識確認用に使う人が多いことを考えると,分量が多ければ良いというものではないと思う人もいるでしょう。
分量が多い分,細かな知識やより丁寧な説明があると言えそうですので,そういう詳細・丁寧な内容がよい人は完全整理択一六法,まとめや知識確認用に使うので簡潔な内容がよい人は逐条テキストがよいでしょうね。
価格(2022年版)
逐条テキスト(早稲田セミナー)の方が安い科目が多いですね。
※行政法,民事訴訟法,刑事訴訟法は同じ価格です。
目次からの検索性
完全整理択一六法(LEC)
図表の一覧と該当ページ数が目次にあります。
テスト前に苦手部分の知識を確認したいときに便利ですね。
逐条テキスト(早稲田セミナー)
要件事実と論文マテリアルという記事の一覧とページ数が目次にあります。
短答式試験の知識確認というよりは,論述式試験の最終確認に役立ちそうですね。
その他の相違点
逐条テキスト(早稲田セミナー)には,条文ごとに重要度マークがついています。★の数で重要度を示しています。
完全整理択一六法(LEC)には,購入者への最新判例インターネットフォローがあります。
判例百選の番号は両シリーズとも対応しています。
あとは,本のサイズからくる違いがあるくらいですね。
逐条テキスト(早稲田セミナー) は余白がやや広い, 完全整理択一六法(LEC) はコンパクトなので持ち運びや電車内での閲覧に適している,といったところです。
内容的には,いずれも大手の司法試験予備校が刊行しているものですので,成績に違いが生じるほどの大きな違いはないと感じています。
どっちを買えばよい?
上記の通り,内容的には大きな違いはないと思いますので,自分が勉強しやすい,読みやすい,使いやすい方を選べばよいと思いますよ。
Amazonなどでは,試し読み(立ち読み機能)で中身を見ることができますので,自分の感覚に合う方を選べばいいと思います。
司法試験受験生で短答式試験の過去問演習との相性という観点で悩む人もいると思いますが,過去問集には過去問の解説もついていると思いますので,無理に択一六法と連動させる必要はないと思います。
過去問を進めるときは,過去問を解くことに集中して,過去問で間違えた箇所や知識が怪しい箇所を択一六法に集約していく,という方法が個人的にはおすすめです。過去問演習→択一六法で復習,というの流れがおすすめで,択一六法で予習→過去問演習はあんまりおすすめしません。あやふやな知識をあぶりだすためには,前者の方法の方が効果的かなと思っていますが,個人的な感覚の話ですので,あくまでご参考までに。