普通郵便の土曜日の配達がなくなる?郵便法改正

雑記
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2021年10月2日の土曜日から,普通郵便の土曜日の配達がなくなります

すこし報道されていましたが,2021年10月から変更になる制度が多いので,紛れてしまって気づかない人もでてくるかもしれないですね(緊急事態宣言の全面解除や最低賃金改定,たばこ増税,simロック関係などなど,たくさんの制度が変更になるようです)。

郵便はインフラできちんと届いて当たり前のように感じている人も多いでしょうし(私もその一人です),土曜日も関係なく届いていたので,今回の変更になれるまでしばらくかかりそうです。

郵便の土曜日配達と法律の改正

なぜ普通郵便の土曜日配達がなくなったのでしょうか。

これには第203回国会(2020年(令和2年)臨時国会)で成立した法改正が影響しています。

その法改正は「郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律」(令和2年法律第70号)です。

この改正によって,郵便法70条が下記のように改正されました。改正部分を赤字にしています。

郵便法(昭和22年法律第165号))

 (郵便業務管理規程)
第70条 会社は,業務開始の際,郵便の業務の管理に関する規程(以下「郵便業務管理規程」という。)を定め,総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも,同様とする。
 郵便業務管理規程には,次に掲げる事項を記載しなければならない。
  郵便の業務の管理に関する事項
  郵便差出箱の設置その他の郵便物の引受けの方法
  郵便物の配達の方法
  前2号に掲げるもののほか、郵便物の送達の方法
  その他総務省令で定める事項
 総務大臣は,郵便業務管理規程に記載された前項各号に掲げる事項が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ,第1項の認可をしてはならない。
  郵便物の秘密を保護するため適切なものであること。
  総務省令で定める基準に適合する郵便差出箱の設置その他の郵便物を随時,かつ,簡易に差し出すことを可能とするものとして総務省令で定める基準に適合する郵便物の引受けの方法が定められていること。
  1週間につき5日以上郵便物の配達を行うことができるものとして総務省令で定める基準に適合する郵便物の配達の方法が定められていること。
  郵便物(国際郵便に係るものを除く。以下この号において同じ。)について差し出された日から4日(国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日その他総務省令で定める日の日数は,算入しない。)以内(郵便物が,地理的条件,交通事情その他の条件を勘案して総務省令で定める地域から差し出され,又は当該地域に宛てて差し出される場合にあつては,4日を超え最も経済的な通常の方法により当該地域に係る郵便物を送達する場合に必要な日数として総務省令で定める日数以内)に送達することが定められていること。
  郵便物を引き受けた場合において,総務省令で定める場合を除き,郵便物の表面の見やすい所に,総務省令で定める基準に適合する通信日付印を押印することが定められていること。
  その他総務省令で定める基準に適合するものであること。

一番大きな影響があったのは,上記の郵便法70条3項3号の改正ですね。改正前は「6日以上の郵便物の配達」となっていたのが,今回の改正で「5日以上の郵便物の配達」となりました。

従来は,1週間のうち,普通郵便は日曜日のみ配達したいことになっていたのですが,「5日以上」と要件が緩和されたことにより,1週間のうち,もう1日休むことが可能になりました。

そこで,日本郵便は従来の日曜日に加え,土曜日も普通郵便の配達を休止することにしました。

なぜ郵便法の法改正があったの?

確実に郵便利用者の利便性は下がってしまうのですが,それにもかかわらず,なぜ郵便法を改正したのでしょうか?

主な理由は以下のような事情が考えられます。

  • 郵便物の減少(はがきや封書などの普通郵便。ネット通販の増加でゆうパックなどは増えていると思われます)
  • 配達員の人手不足
  • 働き方改革

なお,改正法案の公式な理由は下記の通りです。

郵便の役務のなるべく安い料金によるあまねく公平な提供を確保するとともに,日本郵便株式会社と一般信書便事業者との間の対等な競争条件を確保するため,郵便業務管理規程の認可基準のうち郵便物の配達日数及び送達日数に係る基準の緩和並びに配達地により異なる額の料金を定めることができる郵便物の範囲の拡大を行うとともに,一般信書便事業についても同様の緩和等を行う必要がある。これが,この法律案を提出する理由である。

第203回国会 閣法第3号 理由

普通郵便の平日の配達も遅くなる?

土曜日配達の休止のほかに,上記の改正で,改正前は原則「差し出された日から3日以内」とされていた配達日数が,改正後は原則「差し出された日から4日以内」となりました(郵便法70条3項4号)。

これに伴い,日本郵便は,2021年4月1日のプレスリリースで土曜日休配のお知らせに加え,普通郵便の平日配達についても「2021年10月から、普通扱いとする郵便物およびゆうメールのお届け日数を、1 日程度段階的に繰り下げます。」と発表しています。

配達日数の目安は,日本郵便のホームページや上記のプレスリリースをご確認ください。

変更になる郵便の種類は?

今回の制度変更が適用される日本郵便の郵便物は「普通扱いとする郵便物およびゆうメール」です。

それ以外の郵便物(速達レターパックライトレターパックプラスゆうパック簡易書留書留クリックポストゆうパケットなど)はこれまで通り土曜日も配達してくれるようです。

急ぎの郵便物は気を付けて!とくに木曜日差し出しと金曜日差し出し!

これまでは普通郵便で差し出しても,翌日や翌々日に届くことがほとんどでしたが,これからは少し遅れることを見込む必要があります。

従来翌々日配達地域とされていた地域宛てにから木曜日に差し出した場合は土曜日に届いていましたが,これからは,木曜日に差し出すと土曜日・日曜日が休配になるので月曜日に届くことになります。

木曜日→月曜日と4日かかることにあります。ここで上記の郵便法70条3項4号の改正(3日以内→4日以内)が効いてくるんですね。

当然,従来翌日配達地域とされていた地域宛てに金曜日に差し出すと,これからは月曜日に届くことになります。

請求書・申込書・入学願書など,遅れることが許されないものを郵便で送るときは十分に気を付けましょう。確実性を求めるなら,簡易書留等を窓口から差し出し,念のため窓口で到着日を確認しましょう