8月も終わり,2021年(令和3年)も残り3分の1となりました。
まだまだ新型コロナウイルスとのたたかいは続きそうですね。
2021年(令和3年)9月1日にデジタル庁発足
報道でも大きく取り上げられていますが,本日(2021年9月1日),菅総理肝入りのデジタル庁が発足いたしました。
デジタル庁関連の立法の一部については下記記事でも触れましたので,興味があればお読みください。
デジタル庁設置の根拠法令
デジタル庁設置の根拠法令は「デジタル庁設置法(令和3年法律第36号)」です。
この法律の附則で 2021年(令和3年)9月1日を施行日とする旨が定められているので, 本日(2021年9月1日)デジタル庁が発足したということです。
デジタル庁設置法(令和3年法律第36号)
附 則
(施行期日)
第1条 この法律は、令和3年9月1日から施行する。ただし、附則第60条の規定は、公布の日から施行する。
デジタル庁の任務内容
デジタル庁って結局何をする官庁なのでしょうか?
いまいちよくわかりませんよね。これから具体的な政策が定められていくと思いますが,一応,デジタル庁設置法に任務内容が定められています。
デジタル庁設置法(令和3年法律第36号)
(任務)
第3条 デジタル庁は、次に掲げることを任務とする。
一 デジタル社会形成基本法(令和3年法律第35号)第1章に定めるデジタル社会(同法第2条に規定するデジタル社会をいう。以下同じ。)の形成についての基本理念(次号において「基本理念」という。)にのっとり、デジタル社会の形成に関する内閣の事務を内閣官房と共に助けること。
二 基本理念にのっとり、デジタル社会の形成に関する行政事務の迅速かつ重点的な遂行を図ること。
なんだかわかったような,わからないような任務内容ですね……。
ちなみに上記3条1号にいう「デジタル社会」はデジタル社会形成基本法に定義があります。下記に引用します。
デジタル社会形成基本法(令和3年法律第35号)
(定義)
第2条 この法律において「デジタル社会」とは、インターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて自由かつ安全に多様な情報又は知識を世界的規模で入手し、共有し、又は発信するとともに、官民データ活用推進基本法(平成28年法律第103号)第2条第2項に規定する人工知能関連技術、同条第三項に規定するインターネット・オブ・シングス活用関連技術、同条第4項に規定するクラウド・コンピューティング・サービス関連技術その他の従来の処理量に比して大量の情報の処理を可能とする先端的な技術をはじめとする情報通信技術(以下「情報通信技術」という。)を用いて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録をいう。第30条において同じ。)として記録された多様かつ大量の情報を適正かつ効果的に活用すること(以下「情報通信技術を用いた情報の活用」という。)により、あらゆる分野における創造的かつ活力ある発展が可能となる社会をいう。
現時点で考えられるものをすべて詰め込んだような定義ですね……。ただ,デジタル関連は動きがはやいので,そのうちこの定義も陳腐化してしまいそうな予感もしますが。
2021年(令和3年)9月1日から婚姻届などへの押印が不要に
デジタル関連の制度改正といってよいのかよくわかりませんが,戸籍関係の届出書類(出生届・婚姻届・離婚届・死亡届)に押印が不要になります。正確に言えば,押印が任意になります。
これについては,下記の記事でも取り上げました。
ドラマ「婚姻届に判を捺しただけですが」が2021年10月スタートするが,押印は不要になってしまった……。
有⽣⻘春『婚姻届に判を捺しただけですが』を原作にした同名ドラマ「婚姻届に判を捺しただけですが」 が 2021年10月からスタートするようです(TBS,毎週火曜よる10時)。
仕方ないことですが,ドラマタイトルと上記の戸籍法施行規則の改正のタイミングが近接しており,なんとも微妙な感じになってしまいますね。
ドラマの時間設定を2021年9月より前にするのか,そのあたりははっきりさせずに進めるのか,はたまた無視するのか,気になります(婚姻届に押印欄自体は残るので,内容が破綻することはないのですが)。
日本でよく使われていた,何かの決断をする際の比喩的な表現としての「ハンコを押す」という表現技法は今後少なくなっていくかもしれないですね。