法学部の教科書を買うタイミング

教科書・六法
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法学部生って持ち物多いですよね。
六法に,教科書に,判例集に……。重いし,量も多い
必然的に大きいバッグを持ち歩き,中身が六法とか分厚い本だからバッグも型崩れするし……。
(法学部生用のおしゃれなバッグとかあればいいですね)
本の価格も決して安くはないでしょう。

学費と書籍代は基本的には別ですので,経済的な理由などさまざまな事情でできるだけ出費を抑えたいと思う人もいると思います。

書籍代の中で一番のウェイトを占めるはやはり教科書類だと思います。

どのタイミングで教科書が買うのがよいのでしょうか。

この記事は法学部の専門科目についての内容です。
語学や一般教養科目は対象外です。特に語学はテキスト・教科書が必須であることがほとんどなので,早めに購入することをおすすめします。

法学部のシラバスを確認しよう

講義になんらかの書籍が必要か否か,まずはシラバスを確認しましょう。

シラバスの構成

シラバスを確認するにあたって一般的にシラバスにはどんな情報が載っているのかを確認します。

1 講義名
2 講義の担当教員
3 講義期間
4 単位数
5 講義計画
6 単位認定の点数評価方法
7 その講義を受けるにあたっての注意点
8 教科書
9 参考書

1~4は割愛します。

講義計画

シラバスには具体的な講義計画が書かれていますので目を通しておくことをおすすめします。
昔はシラバスの計画と実際の講義内容の乖離が大きいこともありましたが,現在ではそんなに多くはないかと思います。

単位認定の点数評価方法

単位認定にかかわりますので必ずチェックしておきましょう。

チェックポイントとしては以下のとおりです。

  • 平常点はあるのか
  • 平常点がある場合,その割合はどの程度か
  • 平常点として考慮される要素はなにか(出席,発言,提出物,小テストなど)
  • 定期試験なのかレポートなのか

極論すれば平常点の設定がなければ試験で高得点さえとることができればAや優の評価を得ることができます。この場合は試験までにその科目を仕上げればよいのですから,テスト前はともかくそれ以外の時期は平常点として小テストがある他の科目などに勉強時間を振り分けることができるでしょう。

履修登録のときも全体のバランスを考えて登録するとよいですよ。最近は平常点を加味する講義が一般的になりつつあると思います。
すべての科目が試験一発勝負だとテスト前に大変なことになりがちです

法学部の講義を受けるにあたっての注意点

7はさまざまことが書かれていますが,多くは「この講義を受ける前に○○の講義を履修済みであることが望ましい」といったことだと思います。
たとえば,刑法各論のシラバスでは「刑法総論の講義を履修済みであることが望ましい」となっていることが多いと思われます。履修できる単位数との兼ね合いなどですべてに対応することが難しいこともあると思いますが,最低限同時に履修するなどが望ましいでしょう。履修していないと理解しづらいところが出てきてしまうと思います。

8と9はいずれも文献に関することです。

以下で詳しく紹介します。

法学部のシラバスに載っている「教科書」

※担当教員によってさまざまです。あくまで一般論としてご参考までに。

講義は教科書の内容に沿って進むことが多いです。
教科書の目次通りの順番に進まなくても,少なくともその回の講義内容が教科書のどの部分に該当するのかについてはレジュメなどで示されることが多いです。
試験も,特段のアナウンスがなければ,その教科書の範囲内であることが多いです。

法学部のシラバスに載っている「参考書」

参考書はいくつかの種類に分かれますが,おおむね以下のとおりです。

  • 教科書に近いもの
  • 判例集などのサブテキスト
  • 特定の分野についての重要文献

教科書に近いもの

これはほぼ教科書です
さまざまな理由がありますが,シラバスに特定の教科書は掲げずに,教科書的なものを参考書欄に掲げることがあります。
担当教員の講義の組み立て方にぴったりとくる目次だての教科書がなかったり,教科書が不要なほど詳細なレジュメが存在したり,実際の講義の中では特定の教科書には言及しないなど,さまざまな理由でシラバスの教科書欄には特定の文献を掲げずに「参考書」として教科書的な文献を掲げることがあります。

判例集などのサブテキスト類

概説書などの教科書類ではなく,判例集や演習書などがこれに当たります。

特定の分野の重要文献

講義のすべての回に関係するわけではないですが,担当教員が是非読んでおいてほしいある分野の文献などがあれば,参考書に掲げられることがあります。
書籍の研究書のほかに雑誌の論文記事が掲げられることもあります。

教科書はいつ買う?

その講義のスタイルにあわせて臨機応変に。
もちろん教科書は買った方がよいです。
特に入学直後の1年生は勝手がわからない人がほとんどだと思います。高校までは教科書類は学校から配布されることがほとんどで,自分で購入するということはなかったでしょうから。

新学期には大学内の一定の場所に教科書販売ブースが設けられることが多いと思います。常設ではなく1か月程度で閉鎖されるため急いで購入しなければと焦ってしまうかもしれませんね。

ただ,購入自体は講義の第1回目の後でよいと思います。

(1回目の講義で教科書を持っていなかったら怒られるのでは……?と思う人もいるかもしれませんが,1回目はまだ履修変更が可能な期間であることがほとんどでしょうし,強く注意される可能性は低いと思います。ただし,シラバス等に「テキスト必須」と書かれているような場合は別です。あくまで一般論なので自分が履修するシラバス等のアナウンスをきちんと確認するようにしましょう)

教科書をどのように使用するのか,担当教員から第1回目の講義でアナウンスがあることが多いと思います。また,その講義を履修済みの友達や先輩などがいれば,教科書の使い方について情報を集めましょう。

たびたび教科書に言及しながら講義が進むのであれば購入は必須ではないかと思います。

そうではなく教科書への具体的な言及はほどんどなく講義が進むのであれば焦って買う必要はないでしょう。そのような場合は,教科書として挙げられている書籍は一例であると解釈して差し支えないことが多いです。
つまりシラバスに挙がっている教科書ではなくその講義の内容をカバーしている概説書でも十分に講義や自習,試験対策に対応できます。

たとえば憲法の講義で,実際の講義時間中には教科書はほとんど使用されないのであれば,自分の読みやすい憲法の概説書をじっくり選んでから購入しても問題ないことが多いです。

読みやすい,わかりやすいといった感覚は人それぞれですし,自分の感覚に合う概説書で勉強するほうが効率も上がりますよね。

教科書が複数掲げられている場合は全部買うの?

同じ分野の概説書が複数掲げられている場合があります。

憲法(人権)の講義で,以下のように5冊も掲げられていたとします。

  • 芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法〔第7版〕』
  • 野中俊彦ほか『憲法1〔第5版〕』
  • 佐藤幸治『日本国憲法論』
  • 渡邉康行ほか『憲法1基本権』
  • 安西文雄ほか『憲法学読本〔第3版〕』

全部買う必要はあるのでしょうか。

ひとまずはどれか1冊でOKです。

もっと言えば,このように教科書が掲げられている場合は,講義で逐一教科書に言及されることは少ない可能性が高いので(受講者の持っている本がバラバラなので),もしそうであれば,上記以外の別の概説書,たとえば高橋和之『立憲主義と日本国憲法〔第5版〕』や 長谷部恭男『憲法〔第7版〕』などでも講義や自習,試験対策に対応できる場合もあると思いますが,シラバスに掲げる時点で,なんらかの基準をもって選書していると思いますので,とくにこだわり等がなければ,無理に自分で選ばずにシラバス記載のものから選ぶことをおすすめします。

私の友人で,大学1年前期の憲法で憲法の概説書を4冊購入した人がいます。
ほかの講義もあるなかで,半期3か月間で憲法だけで4冊も読破することはなかなか厳しいでしょうね。その友人も結局自分が読みやすいと思った1冊しか使わなかったそうです。

もちろん,読み比べをしたいなど,目的をもってあえて複数冊買うことはとても素晴らしいことですよ。

複数掲げられているその趣旨は,定評のある概説書であればどれでもよいが1冊は買って勉強してくださいということがほとんどかと思われます。

シラバスに複数あがっている場合は,それらの本のページ数などを確認して,それらより極端にページ数が少ないものは詳しさのレベルが異なる可能性があるので避けた方がよいと思います。

上記の例で挙げた憲法の本はすべて定評のある概説書ばかりですが,ほかにも憲法の概説書はたくさんありますので,自分に合うものを探してみるのもおもしろいと思います。こういうときには大学図書館はとても便利ですよ!

参考書はいつ買う?

教科書に近いもの

上記の教科書について書いたところ(教科書はいつ買う?)を参考にしてください。

判例集などのサブテキスト

講義のスタイルにもよりますが,判例を多く取り上げるような講義の場合,判例集を購入しておくことをおすすめします。場合によっては,教科書より頻繁に講義で参照することもあるかもしれません。
とはいえ,慌てて買う必要はなく講義の内容にあわせて対応すればよいと思います。

演習書も判例集と同様に,慌てて買わずに,講義に合わせて購入の要否を検討するのでよいと思います。
参考書に演習書が掲げられている場合は自習用という位置づけのことが多いでしょう。演習書を講義中にガシガシ使用する場合は,シラバスの教科書欄に演習書が掲げられているはずです。

特定の分野の重要文献

判例集ではなく,特定の分野の研究書や雑誌記事の場合はどうでしょうか。
研究書は高額なことがほとんどなので買う前に大学図書館で閲覧してからがよいと思います。必要な一部分のコピーで済みそうであればそれで十分だと思います。
また雑誌記事はバックナンバーはもう売ってないこともありますし,こちらもまずは大学図書館での閲覧(と必要な箇所のコピー)でよいと思います。

まとめ

以上,法学部の教科書についてでした。

何度も書きましたが,各大学,各担当教員によって対応はさまざまですから,本記事がすべてと決して思わないようにしてください。

また,対応がさまざまということは,焦って購入すると失敗する可能性も高いということでもありますから,講義の第1回目には必ず出席して情報をしっかりと収集した後で教科書購入を検討するので遅くないと思います。友人や先輩に,前年度や前期におなじ講義を履修した人がいれば,講義スタイルなどを聞いてみるのもとても有益だと思います。
教科書販売ブースも1か月程度は開設していることが多いですしね。
焦らずに,よい教科書・参考書に出会えるようにしてください。