2022年7月発売の気になる法律書(個人的メモ)

教科書・六法
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夏休みですねー。

4学期制をとっている大学だと試験が8月に食い込むこともあるそうですので,まだ夏休みではないという人もいるかもしれませんね。

では,いつも通り7月発売の個人的に気になった本をメモ。

学生向け

潮見・相続法の改訂版です。

民法の親族・相続はひとまとまりにして家族法として認識されることも多く,講義も親族法と相続法がセットになっていることがほとんどだと思います。

ただ,親族法に比べて相続法は財産の移転が伴いますので,物権法などの財産法分野との関連が大きいです。法科大学院生や予備試験受験生などの司法試験受験生はどうしても親族・相続の勉強がやや手薄になりがちですが,相続法は設問の一部分として絡んでくることが多いので,しっかりと学んでおきたいですね。

近年,改正が多かった分野なので,できるだけ最新の教科書で勉強することをおすすめします。

内田民法シリーズの著者による法学入門の新刊です。

目次を見てもらえればわかると思いますが,いわゆる法学入門とはかなり毛色が異なります。

高校生との対話で生まれたとあるので,法学という学問への入門そのもの,というよりは,法学を学ぶ前に知っておきたい日本法の史的な変遷といった印象が強いです(特に第1章)。

高校生でなくても法学を学ぶ上での教養を身につけるという目的で読むのもよいかと思います。ページ数も200ページほどなので,夏休みの読書にぴったりです。

東京大学の1年生・2年生向けのオムニバス講義を書籍化したものだそうです。

各テーマは先端的かつ興味深いものがならんでいます。レポートやゼミの研究発表の題材探しとしても使えるのではないでしょうか。また就活生にとっても先端的な技術・経済活動と法学とを結びつけて面接でPRする手掛かりとなる1冊になるのではないかなと思います。

実務向け

『詳解労働法(第2版)』は1500ページもありますから,著者本人によるガイドブックは読者としてもとてもありがたいですね。『詳解労働法(第2版)』は東京大学出版会から,本書は日本法令から,と2冊で出版社が異なるのも興味深いです。

労働法の鉄板の定番書である菅野和夫『労働法』並ぶ勢い水町勇一郎『詳解労働法(第2版)』著者本人による公式読本です。

2022年(令和4年)の通常国会で民事訴訟法の大改正令和4年法律第48号)がありました。

実務上は重要な改正が多いので,ひとまずの情報をおさえておきたいところですが,本書はそういった目的にぴったりだと思います。200ページ以下ですので,サクッと条文と解説を確認できます。

新旧の両方の条文が掲載されているのがありがたいです。

企業派遣で米国ロースクール2校に留学した体験記です。

一番知りたい入学前の出願やスケジュールなども記されていますので,将来的に米国ロースクールへの留学を検討している方は一読してみてもよいと思います。

一般向け

夫婦同姓・別姓問題に関心がある人は少なくないと思います。

議論が始まってからかなりの年月が経ちましたが,選択的夫婦別姓制度の導入はいまだ見送られています。なぜ議論が進まないのか?なぜ裁判でも認められないのか?といった疑問について丁寧に,かつ正確に解説してくれる一冊です。「わかりやすいQ&Aから訴訟の裏側まで」という本書サブタイトルの通りの内容です。